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体細胞
生物の体をつくり体の働きを保つために活動する細胞の総称です。皮膚や筋肉や骨や血液や内臓など体の大部分は体細胞でできており成長するときの体づくりや傷の修復や日々の代謝を支えます。体細胞は生殖細胞とは役割が異なり次の世代へ遺伝情報を渡すためではなく今の個体が生きるための機能を担当します。
1.体細胞の基本的な特徴
●染色体数
体細胞は多くの生物で染色体を2セット持つ細胞です。父親由来の1セットと母親由来の1セットを合わせて持つため染色体数は2nと表されます。例えばヒトでは染色体は46本であり23本ずつの2セットを体細胞が持ちます。
●細胞分裂
体細胞が増えるときは主に有糸分裂が使われます。有糸分裂では1つの細胞が2つに分かれ分裂後の2つの細胞は元の細胞と同じ染色体数を保ちます。この仕組みにより体は同じ設計図を持つ細胞を増やしながら成長し同時に古くなった細胞を入れ替えられます。
●多様な細胞型
体細胞には形も働きも異なる種類が多数あります。筋肉細胞は力を出して動きを生み神経細胞は情報を伝え皮膚細胞は外部刺激から体を守ります。同じ染色体数を持っていても役割に合わせて構造や性質が変わります。
●分化
体細胞は発生の過程で分化して特定の組織や器官の仕事を担います。分化は遺伝子そのものが変わるのではなくどの遺伝子を働かせるかという発現の違いで起こります。そのため同じ遺伝情報を持ちながらも細胞ごとに異なる機能が生まれます。
2.体細胞の有糸分裂
●細胞周期
有糸分裂は突然起きるのではなく細胞周期という流れの中で進みます。まずG1期で細胞が大きくなり働くための材料を増やします。次にS期でDNAを複製して染色体の情報を2組分にします。続くG2期では分裂に必要な構造を整え最終的に分裂過程へ入ります。
●分裂の段階
有糸分裂は前期と中期と後期と終期という段階に分けられます。前期では染色体が見えやすい形に凝縮し分裂のための装置が準備されます。中期では染色体が細胞の中央に並び後期で染色体が2つに分かれて両端へ引かれます。終期では新しい核ができ細胞質も分かれて2つの細胞が完成します。
●染色体の動き
中期で中央に整列することは同じ情報を等しく配るための重要な手順です。後期では分かれた染色体がそれぞれ別の側へ移動し片寄りなく配られます。この一連の動きが正しく進むことで2つの娘細胞は同じ染色体数を持ち同じ遺伝情報を共有できます。
3.体細胞と生殖
●有性生殖
体細胞は個体の体を維持する細胞であり卵子や精子のような生殖細胞とは区別されます。生殖細胞は染色体を1セットだけ持つためnと表され受精で2つが合体すると2nに戻ります。体細胞はこの2nの状態を保ちながら増殖し個体の成長と修復に関わります。
●組み合わせの多様性
個体の遺伝的な多様性は主に生殖細胞がつくられる過程や受精で生まれます。一方で体細胞の有糸分裂は基本的に同じ遺伝情報を保って細胞を増やす仕組みです。ただし体内では分化の違いにより同じ遺伝情報でも異なる性質が表れ多様な組織が成り立ちます。
4.体細胞の特定の種類
●神経細胞
神経細胞は電気信号を発生させて伝える細胞で脳や脊髄や末梢神経に広がります。長い突起を使って他の細胞とつながり刺激の受け取りや判断や運動指令などを担います。
●筋肉細胞
筋肉細胞は収縮する仕組みを備え体を動かす力を生みます。筋肉の種類により役割が異なり骨格筋は体の運動を心筋は心臓の拍動を平滑筋は血管や消化管などの動きを調節します。
●脂肪細胞
脂肪細胞は脂肪をためて必要に応じて取り出すことでエネルギーの貯蔵に関わります。また体温維持や衝撃の緩和にも役立ちホルモンなどの物質を分泌して代謝の調整にも関与します。
5.まとめ
体細胞は体を形づくり個体の働きを支える中心的な細胞です。多くの場合は2nの染色体数を持ち有糸分裂で同じ情報を保ったまま増殖します。そのうえで分化によって遺伝子の働かせ方が変わるため同じ遺伝情報を共有しながらも神経や筋肉や脂肪など多様な役割を担う細胞が生まれます。体細胞の仕組みを理解することは成長や修復や病気の成り立ちを考える基盤になります。