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毛引き症
「毛引き症」は動物や人に見られる行動の乱れの一つで自分の毛を抜いたり他の個体の毛を抜いたりする行動を指します。抜いた毛を口に入れて食べてしまうこともありその場合は自己摂食として扱われます。見た目では毛が薄くなる程度に見えても皮膚の炎症や強いかゆみが隠れていたり不安や退屈が続いていたりして悪化することがあります。早めに原因の方向性を整理すると対処が進めやすくなります。

1.毛引き症の特徴
行動の特徴
毛引き症は毛を引き抜く行動そのものが目立つ場合もあれば舐め続ける行動や噛み続ける行動として始まり結果として毛が切れたり抜けたりする場合もあります。特定の時間帯に集中することがあり留守番中や就寝前など刺激が少ない場面で増えることがあります。叱られた直後や緊張する出来事の後に起こることもあります。
標的となる毛
自分の体の同じ場所を繰り返し狙うことが多く前足や腹部や尾の付け根など舐めやすい部位に偏る傾向があります。他の個体の毛を抜く場合は顔周りや背中など相手が嫌がりやすい部位に見られることがあります。種類や飼育環境によって狙われやすい場所は変わります。
原因と関連しやすい問題
毛引き症は一つの原因だけで起こるとは限らず皮膚のかゆみなど体の問題と不安や退屈など心の負荷が重なって起こることがあります。皮膚炎や寄生虫やアレルギーがあるときはかゆみが引き金になりやすく環境の変化が続くと落ち着くための行動として固定化することがあります。
2.毛引き症の原因
ストレスや不安
引っ越しや模様替えや生活リズムの変化は動物にとって強い負荷になります。新しい家族や新しいペットの同居が始まったときも緊張が続くことがあります。飼い主の不在が増えたときや音が多い環境になったときも不安が高まり毛を抜く行動につながる場合があります。
健康問題
皮膚の乾燥や炎症や外耳の不快感などは舐めや噛みを誘発します。ノミなどの寄生虫やダニによる刺激があると短時間でも強いかゆみが出ます。食物アレルギーや環境アレルギーでは季節や室内環境で症状が揺れます。関節の痛みや内臓の不調があると落ち着かない感覚が増えて毛づくろいが過剰になる場合もあります。
行動問題
運動不足や探索不足が続くとエネルギーの行き場がなくなり同じ行動を繰り返す形で毛引きが出ることがあります。刺激が少ない空間で過ごす時間が長いと退屈が蓄積しやすくなります。幼少期の社会化が不十分な場合は環境変化に弱く不安が行動に出ることがあります。
孤立感
長時間ひとりで過ごす状態が続くと安心を得る行動として舐めや毛引きが増えることがあります。遊びや声かけが少ないと刺激が不足しやすく毛引きが習慣化することがあります。
3.毛引き症の種類
自己摂食症
自分の毛を抜いたり噛み切ったりして口に入れる行動です。緊張や不安の逃げ道として始まることが多く同じ場面で繰り返されると癖として定着しやすくなります。抜いた毛を飲み込むと消化管に毛がたまりやすくなり嘔吐や食欲低下など別の問題につながることがあります。
他者摂食症
同種の他個体の毛を抜いたり口に入れたりする行動です。相性の悪さや縄張りの緊張や過密飼育が背景になることがあります。遊びの延長に見えても相手が避けるようになる場合は関係の悪化が進んでいる可能性があります。
4.毛引き症の診断
病歴と行動の評価
いつから始まったかどの時間帯に多いかどの部位を狙うかを整理します。生活の変化の有無や留守番の時間や同居動物の関係も重要です。可能なら動画で行動が出る場面を記録すると評価が進みやすくなります。
身体検査
皮膚の赤みやフケや脱毛の形を確認し寄生虫の可能性や炎症の程度を見ます。耳や口の状態も確認して不快感の原因が隠れていないかを探ります。毛が抜けたのか切れたのかの見分けも手がかりになります。
血液検査や画像検査
内臓の不調や炎症の兆候が疑われる場合は血液検査で全身状態を確認します。痛みが疑われる場合は画像検査で関節や体内の状態を確認することがあります。
行動評価
飼育環境の刺激量や休める場所の確保や遊びの質を見直します。毛引きが起こる前後の合図を探して不安の引き金を特定しやすくします。必要に応じて行動の専門家と連携することもあります。
5.毛引き症の治療とケア
原因の対処
皮膚炎や寄生虫やアレルギーが関与している場合はその治療を優先します。かゆみや痛みが軽くなると行動の頻度が下がることが多いです。抜けた部位に炎症がある場合は皮膚の保護も重要になります。
行動療法
不安が強い場合は安心できる手順を作り落ち着ける行動に置き換える練習をします。毛引きが出る前の兆候が見えたら別の遊びや探索に誘導して成功体験を増やします。叱って止めさせようとすると不安が増えて悪化することがあるため対応は穏やかに進めます。
環境の改善
退屈を減らすために知育玩具や嗅覚遊びなどを取り入れて探索の機会を増やします。休める場所を複数用意して安心できる避難場所を作ります。生活の変化が避けられないときは変化を小分けにして慣れる時間を確保します。
薬物療法
行動の固定化が強い場合や不安が重い場合は獣医師や医師の判断で薬が用いられることがあります。薬は単独で完結するというより環境改善や行動療法を進める土台として使われることが多いです。
6.毛引き症の予防
適切な社交化
早い段階から無理のない範囲で人や環境に慣れる経験を積むと変化に強くなります。日常的に遊びや運動を取り入れて満足感を満たすことも重要です。
ストレス管理
生活リズムをできるだけ一定にし安心できる場所と時間を確保します。刺激が強すぎる音や来客が続くときは避難できる空間を用意します。留守番が長い場合は出かける前後の関わり方を整えて不安を減らします。
定期的な健康診断
かゆみや痛みの原因は早期に見つけるほど対処が容易になります。皮膚や耳のトラブルは軽い段階で相談すると毛引きの固定化を防ぎやすくなります。

毛引き症は心の負荷と体の不快感が絡み合って起こることが多く原因を丁寧に切り分けることが改善の近道です。毛が急に薄くなったときや皮膚の赤みが強いときや行動が増えてきたときは早めに獣医師または医療機関へ相談してください。


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