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吸血昆虫
吸血昆虫とは自分の栄養や繁殖のためにヒトや動物の体表に口器を差し込んで血液を吸う生き物の総称です。刺されると強いかゆみや腫れが出ることがあり体質によっては水ぶくれのようになる場合もあります。吸血のときに唾液を入れる種類が多くその成分が皮膚の炎症やアレルギー反応の原因になります。また病原体を体内に持つ種類では刺咬をきっかけに感染症が広がることがあるため注意が必要です。ここでは代表例を挙げて見分け方や被害の出方や対処の考え方を分かりやすく整理します。

1.ノミ(Flea)
特徴
体長は数ミリ程度で翅はなく体が左右に薄い形をしています。後ろ脚が発達していて跳ねる力が非常に強く床や寝具やカーペットに潜みやすい生き物です。犬や猫などのペットやネズミなどの哺乳類に寄生して吸血します。室内ではペットの寝床やラグ周辺から広がることが多く卵や幼虫の段階は周囲のほこりの中で育ちます。
健康への影響
刺される場所は足首付近など下半身に出やすく赤い発疹が複数まとまって出ることがあります。かゆみが強く掻き壊すととびひのように二次感染につながる場合があります。海外では一部のノミが病原体や寄生虫を運ぶことが知られているため渡航先では特に注意が必要です。
2.ブヨ(Black fly)
特徴
小型のハエの仲間で川沿いなど流水のきれいな場所で発生しやすい種類が多いです。昼間に活動することが多く皮膚を切るようにして吸血するため刺された瞬間に痛みを感じることがあります。山間部や渓流やキャンプ場で被害が増えやすく衣服のすき間を狙って脚や腕を刺すことがあります。
健康への影響
刺された部位が強く腫れて熱を持ち数日以上かゆみが続くことがあります。体質によっては大きく腫れたり水ぶくれになったりすることがあります。海外の一部地域では病原体を媒介する種類が報告されています。
3.マダニ(Tick)
特徴
マダニは昆虫ではなくダニの仲間で成虫は8本の脚を持ちます。草むらや藪や林の縁に潜みヒトや動物が通ると体表に取りついて長時間吸血します。皮膚に口器を差し込み数日間離れないこともあるため気づきにくい場合があります。
健康への影響
取りついた場所が赤く腫れることがあり無理に引き抜くと口器が残って炎症が長引くことがあります。マダニは種類によって感染症を媒介することがあり発熱や倦怠感や発疹などが後から出る場合があります。野外活動の後は衣服と皮膚を確認して早めに見つけることが重要です。
4.蚊(Mosquito)
特徴
口器が細長く雌が産卵のために血液を必要とします。二酸化炭素や体温や汗のにおいに引き寄せられやすく夕方から夜に活動する種類が多い一方で昼に刺す種類もいます。水たまりや植木鉢の受け皿や雨水ますなど少量の水でも発生源になり得ます。
健康への影響
刺された直後は小さな膨疹でも時間がたつと強いかゆみが出ることがあります。地域によってはマラリアやデング熱や日本脳炎などの感染症を媒介する場合があるため流行地では特に予防が重要です。
5.シラミ(Louse)
特徴
体は扁平で小さく翅はありません。頭髪に寄生するアタマジラミや衣類の縫い目に潜むコロモジラミなどが知られています。跳ねる力はなく接触や衣類や寝具の共有などで広がりやすい傾向があります。卵は髪の毛や繊維に固着するため見つけにくいことがあります。
健康への影響
刺咬によるかゆみで掻き壊しが起こることがあります。海外ではコロモジラミが感染症を媒介する例が知られているため衛生環境が整いにくい状況では注意が必要です。
6.サシチョウバエ(Sandfly)
特徴
体が小さく毛が多いハエの仲間で夕方から夜に活動する種類が多いです。刺されると痛みが少なく気づきにくい場合があります。熱帯や亜熱帯で問題になりやすく乾燥した場所や家畜の周辺などで発生することがあります。
健康への影響
地域によってはリーシュマニア症などの病原体を媒介することがあり流行地では虫除けと宿泊環境の対策が重要です。
7.ツツガムシ類(Chigger)
特徴
ツツガムシ類はダニの仲間で幼虫の時期は6本の脚を持ちます。草地や土壌にいて動物やヒトに付着します。血液を吸うというより皮膚に口器を差し込み体液を摂取する種類が多いとされています。刺される場所は下着のゴムの内側など圧迫される部位に出やすい傾向があります。
健康への影響
強いかゆみが長く続くことがあり掻き壊しから皮膚炎が悪化する場合があります。地域によってはツツガムシ病などの感染症に関与することがあるため野外での露出を減らすことが大切です。
8.吸血昆虫と感染症
伝染病の媒介
一部の吸血性の生き物は病原体を体内に取り込み次に別の宿主を刺すときに病原体を移してしまうことがあります。このように感染をつなぐ役割を媒介と呼びます。刺されたあとに発熱や強いだるさや広がる発疹などが出た場合は単なる虫刺されではない可能性もあるため経過の観察が重要です。
マラリアと蚊
マラリアはマラリア原虫を持つ蚊に刺されることで起こる感染症の代表例です。主にアノフェレス属の蚊が関与するとされ流行地では蚊に刺されないことが最重要の予防になります。
9. 対策と予防
虫除け対策
肌の露出を減らす服装を基本にして虫除け剤を適切に使います。汗をかく場面では塗り直しの頻度が重要です。屋外で長時間過ごす場合は帽子や靴下も含めて隙間を作らない工夫が有効です。
環境整備
蚊は少量の水でも増えるため身の回りの水たまりを減らします。ノミ対策ではペットの管理と寝具やラグの清掃が重要です。マダニやツツガムシ類が心配な場所では草むらに直接座らず帰宅後に衣服の洗濯と入浴で付着を落とします。
ワクチン接種
予防できる感染症では渡航前や流行地域へ行く前にワクチン接種を検討します。必要な種類は行き先や季節で変わるため医療機関や渡航外来で確認します。
早期発見と治療
刺された部位の腫れが強い場合や痛みが続く場合は皮膚科で相談します。発熱や関節痛や頭痛など全身症状が出た場合は早めに医療機関を受診して刺咬の状況と場所と時期を伝えます。マダニが付着している場合は自己判断で引き抜かず医療機関で安全に除去してもらうことが望ましいです。

吸血昆虫は身近なかゆみの原因になるだけでなく種類と状況によっては感染症のきっかけになることがあります。流行しやすい地域や野外活動の機会が多い環境では刺されない工夫と刺されたあとの観察を意識してください。


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